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Story

粉クリストーリー

粉クリのパンやケーキを中心として繰り広げられる、素敵でかわいいおとぎ話。あなたのお気に入りのパンやケーキにはこんなストーリーが隠されていたのです。
このストーリーをお読みになってからお店に来れば、もっとおいしく感じられるかもしれません。

粉クリストーリー 第1話

妖精メープルは、妖精の国でたいくつな日々を送っていました。
いつものように空を散歩していると、焼きたてのパンの匂いに誘われて湖畔の方に向かってみました。
メープルがたどり着いたのは小さな村の石窯パン屋さんでした。そして、そこで食べたパンに「なぁ~んて美味しいパンなんだろう♪」と感動しました。
そして彼はふんわり美味しい石窯パンを焼いて、【たくさんの人に食べてもらい幸せな気持ち♪】になってもらう石窯パン職人になる!という夢を持つようになりました。
そのために石窯パンを焼けるパン職人になりたくて人間の姿に変身しました。
メープルは一生懸命に石窯パン職人のおじいさんからパンを習いパンをつくりました。メープルの焼くパンの香りは風に乗ってとなりの国まで広がりました。
小さな村のすぐとなりのお城では、カスタード姫という、遠くの国までも評判の綺麗なお姫様がいました。
あまりの美しさに、何度となく、たくさんの国の王子達から結婚を申し込まれましたが、彼女は贈り物や名誉などには全く興味がありませんでした。
お花畑を散歩することや、ケーキ、クッキーづくりが大好きなお姫様です。
彼女は、まだお城からは出たことがなく、お城の外や、となりの村へも行ってみたいなぁと思っていました。
カスタード姫の夢は、大好きな人と楽しく幸せに暮らすことでした。
お姫様の弟のショコラ王子は、カスタード姫と違ってとってもわんぱくでした。お父さんである王様の言いつけなどおかまいなし。聞いてなんかいやしません。
いつもお城から抜け出しては、森やとなりの村まで足をのばしては、お城の中では味わえない楽しい出来事に夢中になっていました。
そんなショコラ王子ですから、となり村の石窯パン屋さんにやってきたメープルとはすぐ仲良くなって、親友になりました。
お城に帰るとショコラ王子は、メープルと遊んで楽しかったことを、いつもお姉さんのカスタード姫に話していました。
ある日、いつものようにショコラ王子がお城を抜け出して遊びに出かけようとしたとき、お姉さんのカスタード姫が、『私もいい匂いの石窯のパンの村へ連れて行って!』とショコラ王子にお願いしました。カスタード姫にとっては、初めてのことなので、ドキドキ、ハラハラ、ワクワクです。二人が、石窯パンのある村へ行くと一生懸命パンを作るメープルがいました。
カスタード姫はメープルの働く姿に、メープルはカスタード姫の愛らしさに目を奪われて、二人はお互いに恋をしてしまったのです。
それからというもの、二人ともお互いのことをいつも考えてばかり・・・・・
メープルの作る石窯パンは、自然にカスタード姫の顔になってしまいます。カスタード姫も、お城のお花畑でお花を見ながらも、そのお花の中に、メープルの顔を想像してしまいます。
時々、お城を抜け出し、湖畔でおしゃべりしたり、お花を摘んだり・・・
お互いに、会える日を待ち遠しく思う毎日でした。
ある日、村の北側にある森に二人で出かけました。おしゃべりに夢中になって森の中を散歩しているうちに立入禁止と書いてある立て札の所まできていました。
昔からの村の人の言い伝えで、“不思議な毒りんご”を持っているおばあさんの家があるから近寄ってはいけないことを思い出しましたが、二人は好奇心から立入禁止の立て札の先に進んで行ってしまいました。
しばらく歩くと“毒りんごのおばあさん”が住んでいると書いてある家があり、そしてその家の隣には、“夢が叶うりんごのおばあさん”が住んでいると書いてある家があったのです。
毒りんごの言い伝えの他に【夢が叶うりんご】のおばあさんの家を見つけたのです。ここに来た事と“夢が叶うりんごおばあさんの家”のことは、ふたりだけの秘密にしました。
そんな頃です。
王様は、カスタード姫がお城を抜け出しメープルと会っているという話を耳にし、かんかんに怒って、メープルの働く石窯パン屋さんの石窯を壊してしまいました。
石窯パン屋さんの主人ブーランジェは大切な石窯を壊され泣きっぱなしです。そして、王様は無理矢理カスタード姫を隣国の王子との結婚を決めてしまいました。
メープルは妖精。妖精は人間に迷惑をかけたら、もう二度と人間の国にきてはいけないという決まりがあったのです。
メープルは元気がなくなり、石窯パン職人になる夢も捨て、落ち込みました。
そして、カスタード姫に、実は自分は妖精で妖精の国に帰らなくてはいけないことを告げました。そして、カスタード姫のことや、石窯パン屋さんのことを心配し、二人の恋も、自分が石窯パン職人になる夢もあきらめたのです。メープルは、夕暮れの湖畔でカスタード姫にさよならを言いました。
それからというもの、お花畑の花々もカスタード姫の悲しみでかれてしまい、カスタード姫は悲しくて涙が止まらない毎日でした。自分のことよりも、メープルの夢が叶わなくなってしまうことがとっても辛かったのです。そんなとき、村の北側にある森に住む夢が叶うりんごのおばあさんの家のことを思い浮かべました。
そして、勇気を出してたったひとりで、村の北側にある森に行きました。不思議なりんごを持っているおばあさんに会いに行くためです。
しかし、前に見た二軒の家はなく、そこには一軒の家しかありませんでした。迷っている暇はありません。勇気を出して、その家の扉を開き、一生懸命に話をしました。
自分のことよりも大好きなメープルの夢を叶えてあげたかったのです。
おばあさんは、「それでは、このりんごをお食べ」といいました。カスタード姫は差し出された【青いりんご】をかじりました。
すると突然、姫は倒れてしまいました。おばあさんは、毒りんごのおばあさんだったのでしょうか?
カスタード姫は永遠の眠りについてしまい、国中が悲しみました。村の人たちも森の動物達も鳥達もみんな、みんな悲しみました。 
メープルは妖精の国に帰る日がやってきました。
メープルは、カスタード姫が村の北側にある森に行き、眠ってしまったと言う話をショコラ王子から聞きました。
その話を聞くとメープルは不思議なりんごを持っているおばあさんの家のある森に向かったのです。
しかし、二軒あったはずの家は一軒しかありませんでした。扉を開き、中にいたおばあさんに話しました。
「自分は妖精の国に帰ることになってしまいましたが、自分はどうなってもいいので、カスタード姫を眠りから覚まさせて“幸せ”にしてあげてください!」一生懸命お願いしました。
おばあさんは「それでは、このりんごをお食べ」といいました。そして、メープルは【まっ赤なりんご】をかじったのです。
おばあさんの家の扉が開き、おばさんがもう一人入ってきました。同じ顔をしています!
毒りんごのおばあさんと、夢が叶うりんごのおばさんは、実は双子だったのです。入ってきたおばあさんは言いました。
「メープルとカスタード姫の二人を試したのじゃ」
自分のことより、人のことを思いやる気持ちがあるかどうかを若い二人は試されていたのです。
「自分のことしか考えてない者にとっては、私たちは毒りんごのおばあさん。だが、自分のことより、人のことを思いやる気持ちがある者にとっては夢が叶うりんごおばあさんになるのじゃ。昔から自分のことばかりを考えている人が多かったので人々は毒りんごしか食べられず、この森を立入禁止にしたのじゃ」
「メープル、カスタード姫、おまえ達は自分のことよりもお互いのことを思いやりのある心の優しい二人じゃ。さあ、村にお帰り。二人の夢が叶っているから」 
メープルは不思議な気持ちでお城に向かいました。
帰ってみると、もう国中大喜び。カスタード姫は眠りから覚めて、メープルは、カスタード姫を助けてくれた人々の英雄になっていました。
王様は二人の思いやる気持ちを認め結婚することを許し、村の壊された石窯は王様が修理してくれました。それから二人は村中、国中からたくさん祝福を受け、結婚しました。
そして、湖畔に新しく石窯パン屋さんを建てふたりで暮らしました。人間になったメープルは夢が叶い、石窯パンをたくさんの人に食べてもらい喜んでもらえるようになりました。
カスタード姫はふわっふわクリームのロールケーキをつくっています。
メープルとカスタード姫がつくる【幸せになってほしい♪】と心が込められたパンやケーキで、村の人々に明るい笑顔が広がりました。心の中に、いつも周りの“人を思いやる気持ち”をもっていたいものですね。
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